2010年01月31日
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登場人物をあえて削る勇気が「映画」になるのか!?

Written By: トーノZERO連絡先

 昔々、デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!という映画がありまして。この映画が凄いところは、「選ばれし子供達」8人のうち、実に半分を活躍させないという構成にありました。(一応、登場カットはある)(劇場では見ていない。残念ながら)

 その後、同じデジモンを登場させたデジモンアドベンチャー02 ディアボロモンの逆襲という映画がありました。この映画は、「選ばれし子供達」の1期8人、2期6人の全てにそれなりに見せ場がありました。(劇場で見た)

 さて、この2つを比較すると、やはり面白さに格段の差があると感じます。いや、確かに「いけー!」と声援が来る2本目に見せ場が無いとは言いませんが、1本目の方がずっと見せ場が多いような気がします。

 そのことは「登場人物が多すぎると焦点がぼやける」という、良い事例になったと思います。つまり、TVシリーズで適切な人数と映画で適切な人数は違うということです。

 言い換えれば、以下は決定的に違うということです。

  • 映画としての映画
  • TVシリーズのスペシャルとしての映画

 つまり、「映画としての映画」が「ぼくらのウォーゲーム!」、「TVシリーズのスペシャルとしての映画」が「ディアボロモンの逆襲」でしょう。「映画としての映画」をあえて作ってしまった細田守監督は、おそらく映画マニアの血が流れているのかも?

という話を思い出したのは §

 スーパー戦隊祭 侍戦隊シンケンジャーVSゴーオンジャー 銀幕BANG!!を見たからでしょう。この映画も、本来ならシンケンジャー6人、ゴーオンジャー7人が活躍するわけですが、実は序盤でレッド以外のゴーオンジャーは退場し、その後の戦闘でシンケンジャーもレッド以外退場します。最終戦闘では全員戻ってきますが、そこはもうストーリー云々というところではないので、味方が多くても構いません。

 こういう「主要登場人物すら退場させてしまう」という思い切りの良さが「ファン向けフィルム」とは一線を画する「映画としての映画の証」なのかも。

余談 §

 そういえば、FINAL FANTASY VII ADVENT CHILDRENも実は助けに来た仲間は最後にシエラ号で飛んでくるのに引き返してしまいます。だから、ひたすらクラウドとセフィロスの戦いになっていきます。これもまた、登場人物をカットする「思い切りの良さ」でしょうね。

余談2 §

 いやー映画って本当にいいものですね、という言葉の意味がやっと分かってきましたよ。確かにいいものだと思います。